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2013年1月30日 (水)

ガイド鏡筒検証 GT-40 VS FC-50

Guide01

 システム大規模変更は進行中ですが、これに合わせて購入したのがコンパクトなガイド鏡筒、タカハシGT-40でした。納品してから1週間ほどがたちますが、これまでいじっていて自分なりに考えるよさ、足りなさが浮き彫りになってきました。
 今回は以前から持っていたタカハシFC-50と比較しながら、ガイド鏡としての両者の特性を述べてみたいと思います。まだ実践投入はしていませんので、その前段階のお話としてごらん下さればと思います。
 まずは両者を並べたようすです。大きさなどは一目瞭然、GT-40のほうが圧倒的に小さいことがわかります。

■スペック比較
1)GT-40
 ・口径/40mm
 ・焦点距離/240mm
 ・重さ/約600g
 ・長さ/約270mm
 ・フォーカス/対物レンズネジの繰り出し(0~21.5mm)

2)FC-50
 
 ・口径/50mm
 ・焦点距離/400mm
 ・重さ/約2kg(バンド、プレート含む、ファインダー含まず)
 ・長さ/約450mm
 ・フォーカス/ラックピニオン方式(0~85mm)

Guide02


 まずはピントあわせについて両者を比較します。FC-50はご存知のとおり、オーソドックスなラックピニオン方式です。ドローチューブの繰り出し最小を0とすると、最大に引き伸ばしたときは85mmまで伸びます。実際に天体にピントが合うときの繰り出し量は30mm程度のところかなと思います。それほど伸ばしきらないところでピントが出ます。
 
 これに対しGT-40のピントあわせは、ラックピニオンに比べると、私にとっては操作性がよいものとは思えませんでした。写真のように、対物レンズの基部がネジになっていまして、これを回してピントを合わせるのです。繰り出し量も0~21.5mmとそれほど多くはありません。この対物レンズ回転式のピント合わせは、ほかにもいくつか、私にとっての弊害を生み出しています。

Guide03


 天体撮影をしていると、必ずといってよいほど夜露に悩まされるものです。私は主砲FSQ-106EDの対物部にはフードとヒーターをつけて、結露対策を徹底しています。ガイド鏡にも対物部にヒーターを巻いています。
 FC-50の場合、対物フードにヒーターを巻きつけたとき、ほかの操作に何の影響も与えません。フォーカス時は接眼部のラックピニオンを操作するわけですから、対物部をいじる必要がないのです。
 しかしGT-40の回転対物だとそうはいきません。ここにヒーターを巻きつけたとき、そのあとにフォーカスすると、ヒーターやコードまで一緒に回転し、コードが絡まってしまいます。いったんピントをしっかり出してからヒーターを巻けばいい、とも思いますが、温度変化の大きなとき、季節ごとのピント差があるときなど、この作業は非常に面倒に感じてしまいます。

Guide04

 GT-40の回転対物は、繰り出し量が21.5mmとそれほど余裕はありません。このため接眼部に取り付けるオートガイダーCCDはあまりスリーブ奥まで差し込むことができなくなります。あまり差し込んでしまうとピントが内ピンになってしまいます。だからといって差し込み量を小さくしてしまうと、スリーブに入る部分が狭くなってしまいます。つまりスリーブ内面とCCDとの設置面が少なくなってしまい、結果的に不安定要素を作り出してしまうような気がします。ST-iは非常に軽量なものですが、それでもできるだけ不安要素は消しておきたいものです。
 このようすは、GT-40の対物部をほどほどのところまで回転繰り出ししたうえで、ピントがしっかり出る位置にCCD固定リングを取り付けたものです。スリーブに入り込む部分は15mm程度しかありません。2点固定ネジにはしっかりかかってはいますが、なんとも心もとないところがあります。

Guide05


 FC-50ならばスリーブへの差込量はある程度余裕を持てるはずです。ピントあわせはラックピニオンなのですから。ということで、先ほど15mm程度のスリーブ差込量だったCCD固定リングを、今度は30mm弱のところまで範囲を広げて固定してみます。

Guide06

 FC-50の純正スリーブは、おなじみのタカハシバージョンです。右側ですね。でもこれはスリーブ内面に入っているナイロンリングで締め付けるもので、その設置面はそれほど大きなものではありません。ですから固定したつもりでも、アイピースなどに上下左右の力を入れるとぐらつきがあるのが分かります。
 しっかりした固定方法にしなければガイド不安要素は消せません。ですからスリーブは2点止めのものに交換しておきます。この2点止めスリーブは、スリーブ後面からの距離が2つのネジでそれぞれ違いがあります。ですから互い違いのようにネジを締められますので、がた防止には非常に効果があります。

Guide07

 CCD固定リングは差し込み量28mmのところにしておきました。FC-50の2点止めスリーブについているネジ位置と比べてみると、十分に余裕があるように思います。これくらい差し込めると、軽いST-iとはいえぐらつきはまったくありませんでした。

Guide08_3


 FC-50の場合、魅力的なのはバリエクステンダーを使って焦点距離を伸ばすことができるということです。バリリングなどを追加しないで、バリエクステンダーだけを使った場合、ノーマル時400mmだった焦点距離は1.6倍の約640mmになる計算になります。ドローチューブ繰り出し量は、ノーマル時よりも少し縮めることができます。
 私がFSQ-106EDとFLI ML16000の組み合わせで撮影する場合、おそらくノーマルF5.0とレデューサーF3.6の2通りで撮影することになると思います。後者の場合は焦点距離が短いですから、FC-50は400mmのままでも大丈夫そうです。実際はF5.0のときでも400mmで十分なはずです。
 でもよく「ガイド鏡筒の焦点距離は主砲の半分以下でも十分」「焦点距離100mmのガイド鏡でも1000mmの撮影可能」などといわれていますが、私はどうもそうではないように思います。
 というのは、もし焦点距離が短いガイド鏡なら、ガイドエラーを感知しないように思うのです。たとえばガイドソフト上でガイドが「RA0.2、DE0.1・・・」などと順調なガイドをしているとします。これが焦点距離のある程度あるガイド鏡ならば信用できるでしょう。でも短いものならば、検知していないがためにそのような「一見上手くいっているような数値」が出てくるのは当然のように思います。ある程度焦点距離のあるガイド鏡で、かつガイドエラー数値が少ないのであれば「ガイドはしっかりとうまくいっている」と信用してよいのではないかと思います。
 そのように考えると、焦点距離240mmのGT-40は、FSQ-106EDに7.4μのML16000を組み合わせたとき、信頼できるかといわれるとどうもそうではないように思えてしまいます。それよりならFC-50ノーマル、またはバリエクステンダーをつけて焦点距離をしっかり確保して、確かなガイドエラー数値を把握するほうがよっぽど安心感があるように思えます。

Guide09

 これまでGT-40、FC-50をガイド鏡に使った場合のよさ、足りなさを比較してきました。

■GT-40
[メリット]
  ・軽い
  ・つくり自体は頑丈
[デメリット]
  ・焦点距離が短い
  ・FC-50より口径が小さく、限界等級が下がる
  ・対物回転のピントあわせは面倒で操作に支障がある
  ・対物回転の繰り出し量が小さく、接眼部のCCD取り付けに影響がある

■FC-50
[メリット]
  ・口径がGT-40より大きいので限界等級が上がる
  ・ラックピニオン方式のピントあわせは快適に作業できる
  ・焦点距離がある程度確保できる。バリエクステンダーで拡張性高い。
  ・対物部にヒーターを心配なく取り付けられる。
[デメリット]
  ・GT-40に比べると少し重い。
  ・定期的に光軸調整をしておく必要がある。治具があるので面倒ではないが。

 FC-50はこれまで何度となく実践投入し、銀塩時代からガイドを支えてくれた実績ある鏡筒です。対物レンズのガタをおさえるために、レンズにマイラーフィルムを入れる改造もしています。ですから星像は少々圧迫されていますが、ガイドミスも非常に少ない信頼できる鏡筒でした。
 一方GT-40の実践投入は一回もありませんが、室内で操作していて、かえってデメリットのほうが大きく感じてしまっています。このように比較していくと、新システムでのガイド鏡筒はFC-50にしたいなという気持ちのほうが強くなってきました。
 ノーマル焦点距離でいくか、それともバリエクステンダーで伸ばしていくかは、まだ実践していないのでなんともいえないところです。どちらでやっても大丈夫なような気がします。この辺についてアドバイスしていただける方がいらっしゃいましたら、ぜひともご教示くだされば助かります。

Guide10_2

 こうして課題を整理してみると文句なしのようなFC-50ですが、今一つだけ懸念材料があります。それがこの鏡筒バンドです。これはタカハシ純正のものなのですが、やはり手でのローレットナット締め付けは安心感がありません。FSQ-106EDのように、K-Astecさんのバンドに変えたいなと思っています。しかしFC-50の鏡筒径に合う68mmバンドは、どうやら今は品物がなく、これからの生産も未定とのことです。三基光学さんにはあるようなので、買うのを検討してみようかと思っています。

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コメント

なるほど、ガイド焦点距離の考察、一理ありますね。
私はまだ短い焦点でのガイドは試したことはないのですが、ガイドグラフが直線であればあるほど
今度は別の不安がおそってきそうです(笑)
ただ、多くの方の実績も物語っているので、あとはML16000という高精細なカメラでのパフォーマンス
次第ってところでしょうかね。
それにしても、この高橋のガイド鏡といいガイドカメラといい、本当に最近のはコンパクトで軽そうです。
FTフードも、羨ましいです!180ED用はないんですよね〜。

よっちゃんさんこんにちは。コメントありがとうございます。

 以前のよっちゃんさんのブログ「星空の牧場」でも、ガイド鏡についての考察がありましたね。ML8300時代のころでしょうか。あのレポを再度読み返したりしておりました。ガイド鏡はシャープさや接眼部の頑丈さはもちろん、保持方法もしっかり検討しなければなりませんね。

そう考えるとノーマル状態のFC-50保持方法はやはり少し難があります。鏡筒バンド内部はフェルトですし、ローレットナットはどんなに手で強く締めたつもりでも、何らかの遊びはあることでしょう。

保持方法、接眼部のぐらつかなさという点で見ると、新型のGT-40のほうに軍配が上がると思います。昨晩簡単なガイドテストをしましたが、GT-40は机上で心配していたほどでもなく、ガイドは十分にしっかりとしてくれていたように思います。こちらでやってみるのもよさそうかなと思いました。

FTフードは紙製ですが、しっかりとしたつくりで満足いくものですよ。でもε180ED用となると、おそらく相当巨大になるのでしょうね。特注で制作してもらえるかもしれませんね。以前、このようなフードをダンボールとアルミテープを駆使して作ったことがありますが、自作のものよりもずっとつくりがよいですね。

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